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彼は1882年4月30日の明け方の南の雲の形をおぼえており、それらを、追憶の中にある、たった一度みたことのある革表紙の本の大理石模様のデザインと比べることができた。また、それをケプラーチョの闘いの前夜に舟のオールがネグロ川にえがいたしぶきの縞模様とも比べることができた。これらの追憶は単純ではなかった。それぞれの視覚的なイメージは、筋肉の感覚、熱の感覚などにつながっていた。彼はすべての夢やすべての幻想を再現することができた。二、三度、彼は一日全体を再現してみせた。彼は「わたしは自分ひとりの内部に、この世がはじまって以来すべての人間がもっていた以上の記憶をもっています」と言った。
by gravity97 | 2011-04-26 09:59 | PASSAGE | Comments(0)

優雅な生活が最高の復讐である


by クリティック